2022年01月25日
3Dプリンターの種類方式
3Dプリンター全般の技術は、デジタルファイルで作られた造形物データをレイヤーごとに作成しますが、方式は様々です。ここでは、各方式ごとにご説明をします。
1. 光造形方式
光造形方式とは、特定波長域の光を液体樹脂に照射させることで、化学反応を起こし固体化します。光造形技術のほとんどは、この現象を使い一度に1層を構成物をつくります。光造形方式のメリットとして、数時間から1日程度で精度の高い製品を完成させることができます。
ステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)
光造形方式であるステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)は、液体樹脂を入れた半透明のタンクを使用します。構造的には、機械本体上部から下部に沿って[プラットフォーム/樹脂を入れるタンク/光線装置]の構造です。
製造工程の流れについては、液状樹脂を入れた半透明タンクにプラットフォームを沈めます。プラットフォームがタンクに沈むと、光線装置がタンクの底を照射し材料を硬化させます。このとき、底の1層が形成され、製品の一部となります。その後、一旦プラットフォームは持ち上げられ、その作られた1層の下にまた新しい層の樹脂を流します。この作業を製品が形状が完全に出来上がるまで行います。この光造形方式は2種類あり、ステレオリソグラフィー(SLA)はレーザーを使用します。デジタルライトプロセッシング(DLP)はプロジェクターを使用します。
この光造形技術は、デスクトップ(家庭用)3Dプリンターでも利用可能です。また、樹脂原料の種類はエポキシ系やアクリル系の紫外線硬化樹脂に限定されますが、強度や柔軟性、耐候性があるABS樹脂やウレタン原料も出てきています。
また、ステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)について、精密部品の製造や表面を滑らかにしたい部品に向いており、細かな彫刻や宝石部品の試作として通常利用されています。なので、サイズも小さなものに向いており、大きな造形物の製造にはあまり適していません。
2. 熱溶解積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)
熱溶解積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)の製造方法は、フィラメントと呼ばれる糸状になっている材料を使用します。このフィラメントは、3Dプリンター機械に設置されてあるリールに巻かれ、3Dプリンター内部にある加熱されるノズルに先端を挿入します。その後、材料は溶融され、溶融状態になった材料をプラットフォーム上に押出しながらコンピューター上で設計された経路に沿って移動していきます。押し出された材料は1層ずつ積み重なり、すぐに冷やされ固体化します。製品全体が完成するまで積層押出しが繰り返されます。
このFDM技術は3Dプリンターマーケットの中でも安く利用できる技術であり、またABSやASA、PC、ポリカABS、ナイロン、PSF(ポリサルフォン)、PLA(ポリ乳酸)、ポリアミド(ナイロン)、PEI(ポリエーテルイミド)、カーボン、ブロンズ、ウッドなど幅広い材料を使用することができます。
FDMは、3Dプリンター試作技術の中でもスピーディーかつ安価に製造出来る特徴があります。なので幅広い領域分野で使用できます。特に電子製品分野では、FDM 3Dプリンター技術を使った最終製品が注目されています。但し、精密部品など複雑を極める部品などには不向きなので、使い方にも工夫が必要です。
3. 粉末レーザー焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering:SLS)
粉末レーザー焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering:SLS)は、粉末状の層をレーザー光線を使って溶融して硬化させ、製品を製造します。
このSLS方式のプロセスでは、まず最初に粉末の中にレーザーを照射し、製品の一部を形作りながら材料を溶融、焼結させます。一旦その粉末層が硬化するとその粉末層は下に下がり、新たにローラーを使って上部に粉末層が敷かれます。完成品ができるまでレーザーを照射を繰り返し連続的な層を形成します。
SLS方式は、主に産業用で使用されていますが、デスクトップタイプも市場には出回っております。SLS方式に使用できる材料には、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン、セラミック、熱可塑性エラストマーなどの材料を使用できます。
機能部材や最終製品を製図するため、このSLS方式は利用されています。SLS方式レーザー焼結の最大のメリットは、自由な設計ができることです。使用される粉末が造形物の支持体として作用し、複雑な造形物を作ることができます。このプロセスのデメリットは、冷却に時間がかかり、納期までに時間がかかることです。
4. マテリアルジェッティング方式(インクジェット・マルチジェット・プリント方式)
マテリアルジェッティング方式(マルチジェット・プリント方式)は、紙に印刷するインクジェット印刷に似ていますが、インクを紙に噴射する代わりに、液体樹脂をプラットフォームに噴射し、紫外線(UV)をで硬化させます。
このマテリアルジェッティング方式の製造工程は、製品データ形状のマップ通りに液体樹脂がプリントヘッドを通して噴射されます。その後、紫外線(UV)を照射し、液体樹脂を硬化させます。これを繰り返して樹脂を積層し、製品を完成させます。
マテリアルジェッティング方式は、主に工業用3Dプリンターで使用されます。選定できる材料は、靭性、透明性またはゴム様の柔軟性を含むいろいろな特性をもつ液体樹脂から選べます。最新技術では、様々な色と特殊液体樹脂を組み合わせたマテリアルジェッティング方式がでてきています。
マテリアルジェッティング方式の特徴は、試作をスピーディーに行え、また現実的で機能的な製品をつくることができます。精密な製品も得意としていて、最大16ミクロン(人間の髪の毛よりも薄い)の層で印刷ができます。
5. インクジェット粉末積層方式(バインダージェッティング・カラージェット・プリント方式)
インクジェット粉末積層方式(バインダージェッティング・カラージェット・プリント方式)は、粉末を硬化させて製品を形作る点ではSLSに似ていますが、層をレーザー照射させ硬化させる代わりに、接着剤を使用し固めます。
インクジェット粉末積層方式の製造工程については、粉末層に接着剤と粉末を交互に噴射させ製品形状を形作ります。次に、製品形状が作られた層の上に新たな粉末が敷かれ、製品形状が完成するまで同じ工程が繰り返されます。完成した製品については、プラットフォームから取り出して洗浄し、変色しないようにコーティングを行います。
インクジェット粉末積層方式は、主に工業用3Dプリンターとして利用されており、通常使用される材料は、フルカラーの砂岩です。インクジェット粉末積層方式の材料コストや工程コストが割安のため、SLS方式と比べお手頃価格で試作が可能です。
インクジェット粉末積層方式はフルカラーで印刷できることが特徴であり、建築モデルや彫刻の分野で利用され、発色性が機能する分野で人気です。また、SLSと同様に、粉末が支持体として機能し複雑な形状が作れることです。
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1. 光造形方式
光造形方式とは、特定波長域の光を液体樹脂に照射させることで、化学反応を起こし固体化します。光造形技術のほとんどは、この現象を使い一度に1層を構成物をつくります。光造形方式のメリットとして、数時間から1日程度で精度の高い製品を完成させることができます。
ステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)
光造形方式であるステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)は、液体樹脂を入れた半透明のタンクを使用します。構造的には、機械本体上部から下部に沿って[プラットフォーム/樹脂を入れるタンク/光線装置]の構造です。
製造工程の流れについては、液状樹脂を入れた半透明タンクにプラットフォームを沈めます。プラットフォームがタンクに沈むと、光線装置がタンクの底を照射し材料を硬化させます。このとき、底の1層が形成され、製品の一部となります。その後、一旦プラットフォームは持ち上げられ、その作られた1層の下にまた新しい層の樹脂を流します。この作業を製品が形状が完全に出来上がるまで行います。この光造形方式は2種類あり、ステレオリソグラフィー(SLA)はレーザーを使用します。デジタルライトプロセッシング(DLP)はプロジェクターを使用します。
この光造形技術は、デスクトップ(家庭用)3Dプリンターでも利用可能です。また、樹脂原料の種類はエポキシ系やアクリル系の紫外線硬化樹脂に限定されますが、強度や柔軟性、耐候性があるABS樹脂やウレタン原料も出てきています。
また、ステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)について、精密部品の製造や表面を滑らかにしたい部品に向いており、細かな彫刻や宝石部品の試作として通常利用されています。なので、サイズも小さなものに向いており、大きな造形物の製造にはあまり適していません。
2. 熱溶解積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)
熱溶解積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)の製造方法は、フィラメントと呼ばれる糸状になっている材料を使用します。このフィラメントは、3Dプリンター機械に設置されてあるリールに巻かれ、3Dプリンター内部にある加熱されるノズルに先端を挿入します。その後、材料は溶融され、溶融状態になった材料をプラットフォーム上に押出しながらコンピューター上で設計された経路に沿って移動していきます。押し出された材料は1層ずつ積み重なり、すぐに冷やされ固体化します。製品全体が完成するまで積層押出しが繰り返されます。
このFDM技術は3Dプリンターマーケットの中でも安く利用できる技術であり、またABSやASA、PC、ポリカABS、ナイロン、PSF(ポリサルフォン)、PLA(ポリ乳酸)、ポリアミド(ナイロン)、PEI(ポリエーテルイミド)、カーボン、ブロンズ、ウッドなど幅広い材料を使用することができます。
FDMは、3Dプリンター試作技術の中でもスピーディーかつ安価に製造出来る特徴があります。なので幅広い領域分野で使用できます。特に電子製品分野では、FDM 3Dプリンター技術を使った最終製品が注目されています。但し、精密部品など複雑を極める部品などには不向きなので、使い方にも工夫が必要です。
3. 粉末レーザー焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering:SLS)
粉末レーザー焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering:SLS)は、粉末状の層をレーザー光線を使って溶融して硬化させ、製品を製造します。
このSLS方式のプロセスでは、まず最初に粉末の中にレーザーを照射し、製品の一部を形作りながら材料を溶融、焼結させます。一旦その粉末層が硬化するとその粉末層は下に下がり、新たにローラーを使って上部に粉末層が敷かれます。完成品ができるまでレーザーを照射を繰り返し連続的な層を形成します。
SLS方式は、主に産業用で使用されていますが、デスクトップタイプも市場には出回っております。SLS方式に使用できる材料には、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン、セラミック、熱可塑性エラストマーなどの材料を使用できます。
機能部材や最終製品を製図するため、このSLS方式は利用されています。SLS方式レーザー焼結の最大のメリットは、自由な設計ができることです。使用される粉末が造形物の支持体として作用し、複雑な造形物を作ることができます。このプロセスのデメリットは、冷却に時間がかかり、納期までに時間がかかることです。
4. マテリアルジェッティング方式(インクジェット・マルチジェット・プリント方式)
マテリアルジェッティング方式(マルチジェット・プリント方式)は、紙に印刷するインクジェット印刷に似ていますが、インクを紙に噴射する代わりに、液体樹脂をプラットフォームに噴射し、紫外線(UV)をで硬化させます。
このマテリアルジェッティング方式の製造工程は、製品データ形状のマップ通りに液体樹脂がプリントヘッドを通して噴射されます。その後、紫外線(UV)を照射し、液体樹脂を硬化させます。これを繰り返して樹脂を積層し、製品を完成させます。
マテリアルジェッティング方式は、主に工業用3Dプリンターで使用されます。選定できる材料は、靭性、透明性またはゴム様の柔軟性を含むいろいろな特性をもつ液体樹脂から選べます。最新技術では、様々な色と特殊液体樹脂を組み合わせたマテリアルジェッティング方式がでてきています。
マテリアルジェッティング方式の特徴は、試作をスピーディーに行え、また現実的で機能的な製品をつくることができます。精密な製品も得意としていて、最大16ミクロン(人間の髪の毛よりも薄い)の層で印刷ができます。
5. インクジェット粉末積層方式(バインダージェッティング・カラージェット・プリント方式)
インクジェット粉末積層方式(バインダージェッティング・カラージェット・プリント方式)は、粉末を硬化させて製品を形作る点ではSLSに似ていますが、層をレーザー照射させ硬化させる代わりに、接着剤を使用し固めます。
インクジェット粉末積層方式の製造工程については、粉末層に接着剤と粉末を交互に噴射させ製品形状を形作ります。次に、製品形状が作られた層の上に新たな粉末が敷かれ、製品形状が完成するまで同じ工程が繰り返されます。完成した製品については、プラットフォームから取り出して洗浄し、変色しないようにコーティングを行います。
インクジェット粉末積層方式は、主に工業用3Dプリンターとして利用されており、通常使用される材料は、フルカラーの砂岩です。インクジェット粉末積層方式の材料コストや工程コストが割安のため、SLS方式と比べお手頃価格で試作が可能です。
インクジェット粉末積層方式はフルカラーで印刷できることが特徴であり、建築モデルや彫刻の分野で利用され、発色性が機能する分野で人気です。また、SLSと同様に、粉末が支持体として機能し複雑な形状が作れることです。
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Posted by wheeler at 12:31│Comments(0)